新しく物件が出来るときにスタートから受け持つ場合がある
新設での竣工試験は通常の耐圧試験と違いチェック項目が多い
最初の段階からミスがあるとどえらいことになるのでよく観察すること
既にPASが電柱に上がっててVCTがまだの状態。(VCTは受電のタイミングで九電がつけてくれる)
目次
接地抵抗測定
接地極からAD種とB種を測定する
補助極用の杭を打ち、まず補助極が効いてる事を確認
AD種とB種が法定値以内であることを確認、キュービクル内に避雷器があったらそれも当たる。
電気設備技術基準の第37条「避雷器等の施設」により避雷器には接地が必要
電気設備技術基準の第17条「接地工事種類及び施設方法」によりA種は2.6ミリ(5.5㎟)以上となっているが
高圧受電設備規定の「1160-2接地工事の接地抵抗値及び接地線の太さ」で避雷器の接地線のサイズは14㎟となっていること
各メーカーの取扱説明書でも14㎟以上の接地線を取り付ける様に指定しているので避雷器の接地線は14㎟と覚えよう。
GR試験機のZ2(黒色)で接地を当たる
内部点検
確認事項
キュービクル内のビスの緩みや汚れなど問題ないか確認
- キュービクル内のビスの緩みや汚れなど問題ないか確認
- PCSはカバーを開けて中身を確認(10Aの素通しでヒューズが入ってた)
- 変圧器の蓋を開け、油量、臭い、タップ値を確認
- 接地極に緩みはないか
- 高圧機器、LAなど接地極に繋がっているか
- PASへA種接地が14ミリ線(LA内蔵)で、なければ5.5㎟で繋がっているか。一人前は見て太さが分かる
- PAS側のシースが外れて、根元がくるっと丸めてあるか→両端接地するのは高圧ケーブルが1キロくらい離れてる時だけ
- PASの向きが電源側、負荷側で間違ってないか
- LBSは何度か「投入」「開放」を試しておく
- LBS等の予備ヒューズがあるか、本数とアンペアは正しいか?
- 高圧コンデンサへPCSを通して繋がっている場合、素通しで10Aとなってる時がある。九電から力率が進みすぎ、て「コンデンサは開放しておいてください」と言われたらPCSを開けておくと目立つので、PCSの中のヒューズを抜いて置き、PCS投入。養生テープで一言書いておく
・キュービクル内のビスの緩みやら汚れなど問題ないか確認
PCSは10Aの素通しでヒューズが入ってた
・変圧器の蓋を開け、油量、におい、タップ値の確認
・接地極に緩みが無いか
・高圧機器LAが接地極に繋がっているか
・PASへA種接地が14㎟線(LA内蔵)LA内蔵でなければ5.5㎟で繋がっているか。一人前は見て太さが分かる
・PAS側のシースが外れているか。根元がくるっと丸めてあるか
・PASの向きが電源側負荷側で間違ってないか。
・PCSも開いてヒューズが素通しで10Aが入ってるとか確認
・LBSは何度か「投入」「開放」を試しておく
・LBS等の予備ヒューズがあるか、本数とアンペアは正しいか?
銘板を写真に撮っておく
PCSの中が素通しならテンションヒューズの意味は?
PASに外付けであるLAのPCSみたく針金ではダメ?
通常、コンデンサ用は容量が小さい場合はLBSから直接で繋がってる
容量は無くても問題ないもの
PASの外付けLAで使用するPCSとは別物、考え方が違う
高圧絶縁抵抗測定
キュービクル内でG端子(ガード)を外しシースアース間の絶縁抵抗測定500V測定にて
100mΩ以上あることを確認
写真(左)の銅が巻いてる部分とケーブルの一番外側の黒い外装この間をシースアース間として測定する。シース(銅巻き)と地面との間の絶縁
数値で1mΩ以上で「良」だが通常は100mΩ以上となる
ちなみに、シースの必要な理由は外装(黒い部分)に漏れ電流が発生しないようにするため
通常外装部は配管の中を通っててハンドホール内部では水に浸かったりしてるので雨でやられやすい。よって1mΩが必要
G端子測定というのは印加線を芯線にGガード線とシースに、Eアース線を接地極(地面)に
つまり
芯線と銀巻きの間の白い絶縁部分を測定してる
これも水トリーなどで劣化していくことがある
メーカー推奨は15年だが、20年を目途に交換してもらう。
30年が限界のイメージ、後はお客の自己責任
芯線に印加線
接地(地面)にEアース線
電気工事士にPAS側の接地を切ってもらったら
高圧ケーブルE端子、G端子をDL-11Nで高圧ケーブルLBS一次側(高圧ケーブル単体)を測定。新設なら通常100,000mΩ(5000v)となる
耐圧試験(交流)
耐圧試験をする際は、電灯trトランスの二次側、動力trの二次側それぞれを三又のカット線でつないでおく
理由は、トランスの低圧側にコイルが入っているとはいえ均等に電圧がかからないと壊れる恐れがあるため対策としてカット線をするのが基本
主開閉器のLBSの二次側を三又クリップで繋いでおく。高圧ケーブル単体を耐圧試験するときのイメージ+高圧コンデンサにカット線をする必要が無い
低圧ブレーカーは全てOFFにしておく
年次点検で高圧絶縁測定をする際は、DL-11Nで5000V印加するが、
直流での話なので低圧ブレーカーはOFFにしなくてもよい
耐圧試験を行う際は、IP-Rを用いて交流で10,350V印加するので
低圧ブレーカーを全てきる必要がある
準備が出来たら印加線を繋ぐ前に低圧メガー1000Vにて耐圧前の絶縁抵抗測定
2000mΩを確認
印加線を金属部に当てないように工夫して主開閉器LBSに噛ませる。
電柱に登ってる人がいないことを確認して、周囲に耐圧試験を開始する事を伝える
キュービクル全体の耐圧試験開始
3000Vにて検電、耐圧トランスと高圧ケーブルのケーブルヘッドが接地されてる境目を検電し、そのまま枝分かれしてる上にスライドさせどこから接地が無くなるか、音で判断
10,350vまで昇圧し耐圧試験開始、タイマーリセット
開始時間、天気、温度、湿度を記録し、一次電流7.1Aと漏れ電流72maを記録
1分、5分、9分をそれぞれ声出し記録
10分間経過するとIP-Rの音が鳴るので試験終了
素早く降圧しOFFボタンを押し切る、電源ケーブルを抜く
検電、放電、印加線外し
耐圧後の低圧メガーにて絶縁抵抗測定1000vで2000mΩを確認
荷物を片付け、使用した三又クリップを確実に回収する。
使用した本数を覚えておく
継電器の単体試験
受電前なので電源が来ていないことを把握
Va、Vcを外しトリップコイル抵抗を想定する
Va、VcをそれぞれZ2と絶縁抵抗測定500Vにて100mΩ以上を確認
Vaを戻す
P1P2が繋がってたら離線
DGR試験機の全要素コネクタを繋ぐ
P1P2に発電機始動して補助電源を入れて電源ボタンが光る事を確認
テストボタン(SO、GR)を押す
Vcを戻す
最小動作電流試験
いつもと違い0.2、0.3、0.4Aをそれぞれ試験
タップ値を変更し、最後に戻すのを忘れずに
動作時限試験
400%試験を2回
130%試験を2回
GR試験機をOFFにして、連動試験を行うためVcを戻す
連動試験
タイムは取れないが、連動の動作だけは見れる
試験終了
電気工事士に報告書の部数が何部必要か確認して終了
受電
九州で言うと、九電がVCTを取り付けに来る。近くの九電柱からケーブル引き込みも繋ぐ
距離によって作業時間が変わる。道路をまたぐ場合など6時間くらいかかる。
VCTを最初につけて、九電柱から引込柱までケーブル繋ぐ
九電作業中に暇があるので絶縁監視装置を取り付ける。三相(Ior)の設定は受電してからしかできないので、クランプとアンテナを取付、ケーブルの結束バンドでまとめる
VCT取付のタイミングでキュービクルに短絡接地は必要ない
誘導電流だったり、
お客へ引き渡しが済んでないので、トランスへ付けるサーモシールは最初の月次点検で貼る
九電工の作業が終わり、縁開放を接続が終わったらPASへの投入準備になる。
電気工事士に作業が九電工の作業が終わったことを伝え現場に立ち会ってもらう
LBS投入状態で、一括メガー測定。これは九電工の作業中でおk
九州電力送配電の担当地区へ電話し、
・引込柱のNOを伝え新設の受電であることを伝える。
・作業員の避難済み
・短絡接地やメガーやカット線などの取り外し済み
・GR電源のブレーカー投入orPASがVT内蔵であること
・メガー測定での数値mΩ
電話を繋いだ状態で、PASの紐を引き電源投入。
電灯、動力の電圧バランス確認、電話口の方に異常なしであることを伝え電話を切る
PASをテストボタンで落とし、連動確認
再度、PASを引き紐で投入
電気工事士と動力一次側で相回転を確認。
基本正相
竣工、受電時に確認すべきことだがたまにある失敗例。前任者がチェック忘れの間違いによSOGボックスのP1P2の逆接続。検電器で当てた場合P1で音が鳴りP2では電圧が無いのが本来のパターン。光が見えにくいがP2で音が鳴ってる状態(写真右)
新設物件の注意点
建物が工事中であるため、キュービクルのブレーカーはOFFのままにしておく。
低圧部のメガー測定禁止
もし、3Pのブレーカー投入したら、建物内で作業中の職人が事故起こす可能性