初心者~中級者
電気主任技術者として一人前になるために。
自分用にマニュアルとしてまとめます。参考になればご覧ください
電気主任技術者の知識

過電流継電器(OCR)試験

今回はOCRのお勉強。
自動制御器具番号は、51

円盤型、誘導型と2タイプあるが円盤型は絶滅危惧種で変圧器のV結線より珍しいので
お勉強からは除外。

試験は結合試験、単体試験とあるが結合試験の方が楽なのでこちらをなるべく行う
単体試験では、OCRの裏面を離線するさい元に戻すのを間違うとアウト

タップ値またはCT比の求め方

例)変圧器の合計(電灯、動力)が200kVA

  CT比が30/5の場合

求め方は

  200kVA ÷ 6.6kV ÷ 1.732 ÷ 6 ≒ 2.9  →  ×1.5 ≒4.37 

↑√3          

最小動作は、2.9 × 1.5 ≒ 4.37   その直近上位、4.5Aを設定する

瞬時動作は、2.9 × 12 ≒34.8    近似値35Aを設定する。

これでキュービクル二次からL-1盤回路の間で問題があるとわかる

結合試験について

電流引き離し方式については結合試験で行う
電圧引き離し方式でもVCBが1か所のような場所はVTのヒューズを外し、そこから電圧を一ることで結合試験として行うことができる

保安法人の頃は、一部充電扱いとなりやってはいけない作業となっていたが、
意味を理解して、作業を行うとOCRの裏面を離線して試験後に戻すリスクより安全

VTのヒューズを外した後は、絶縁シートを付けること

CTT端子のどっち側にOCR線やアースサイド線を付けるかの判断は、関東の保安協会では低メガーで当てて250を振る方にリレーがあるのでそこに取り付けと学んだが、
テスターを当てて接地と導通がある方が一次側との判断でもよいとわかった。つまり導通がない方にリレーが付いてる!

最小動作をする前に、R相、T相に1Aほど電流を振り相を間違ってないこと確認後、電流系をOFF
CTT端子でつけてるのが1次と2次を逆にすると電流が流れないので付け間違いがすぐにわかる。
ちなみに、最小動作電流を振ってる最中にOCR機器のRUNが点灯しない場合はリレーが動作してないので故障と判断。

単体試験について

電流引き離し方式
電圧引き離し方式

通常、年次点検時は結合試験を行うことが多いが、電圧引き離し方式(コンデンサトリップ)のときや必要に駆られて単体試験を行うこともあるので覚えておく。

これはオムロン製のOCRで客先のを交換したので許可を得て勉強用に持ち帰り

使用する線は、IP-Rからの3本

  • アースサイド
  • OCR線(白)のRとT
  • トリップ線の3本、赤クリップと黒クリップで分ける

・三又カット線でをC₂T₂(R)とC₂T₂(T)を繋ぎ、アースサイドに繋げる
・OCR線のRをC₁(R)に、TをC₁(T)に繋げる
・トリップ線を接点a₁、a₂に繋げる。トリップ線はクリップで分ければ順不同

アースサイド線

C₂T₂(R)とC₂T₂(T)を繋ぐことでR相とT相の両方の試験ができる
アースサイドは接地ではなく電気の流れる道を作るイメージ

OCR線(R相、T相)

C₁の(R相)、(T相)に名前通りに繋ぐ
結合の時に正面から見てRを左、Lを右に下のは正面なので鏡写しで逆だった

トリップ線(赤、黒クリップ)

結合試験時は、VCBの1次、2次に同相で繋げた部分
今は接点としてa₁、a₂があるのでクリップの色ごとにそれぞれ繋ぐ、順番は関係なし

頭が許容量超えた人は
①C₁にOCR線を(R相)(T相)に相を合わせて繋ぐ。CTT端子につなぐRは左でLは右と覚える
②T₁にトリップ線を繋ぐこれは色で分ければオッケー
③C₂T₂同士をカット線で繋ぎそこをアースサイド線に繋ぐ
これでおk

T₁、T₂が付いてるのはトリップ線のこと
CはCTのこと
昔はa₁a₂接点なんて無かったので、年配者が行うT₁(R)、T₁(T)にトリップ線を付けるのが本来のやり方。

現場では離線する際は、CつまりCTに繋がってる線から外す。
何より、離線した線を戻す必要があるためどこに繋がっていたかを間違わない要注意!
養生テープに番号ふっておく

試験内容の基準値

【例】 タップ値4(限時要素)-1(ダイヤル)-30(瞬時要素)の場合。

試験項目
①最小動作特性試験………継電器動作時間目盛を1にして実施する
            電流を徐々に増加し継電器、遮断器の動作時の電流を測定する
②限時動作特性試験………動作時間目盛10と整定目盛について行う
            整定値の300%の電流を通電したときの動作時間を測定する
③瞬時要素動作特性試験…継電器の瞬時要素が動作したときの電流値を計測する

判定値

①最小動作電流値は整定値の±10%
4Aだと3.6A~4.4A

②限時動作時間は次式の許容誤差率の範囲に入っていること
*動作時間は機器によって違うので事前に調べる
タップ値の500%で単体200msec、VCBと結合で250msec

③瞬時要素電流値は、整定値の±15%以内であること
30Aだと25.5A~34.5A
動作時間は単体で50msec、VCBと結合で100msec

・スムーズな年次手順(結合試験)
タップ値を確認してから
始動電流試験をR相、T相測定。±10%以内を確認
限時試験を200%時のR相、T相。300%時のR相、T相。500%時のR相、T相を時間測定で250msec以内を確認

瞬時(インスタント)試験を100%時のR相、T相の動作電流測定±15%以内を確認。
限界ダイヤルを長く設定する。この時電流をゆっくり上げると試験機のコイルが焼けて異臭がするので1秒~1.5秒で決める。
瞬時が40Aなら35A過ぎで動作するイメージ
150%時のR相、T相で時間測定。100msec以内を確認
これは裏ワザで、設定値を20Aに下げることで、発電機が1台でも試験が可能にある。
「設定」にして30Aを作り100msec以内に動作することの確認

おまけカット線について

OCR試験や耐圧試験を行う際、カット線が必ず必要になるので簡単に作り方
これをキャップ付きのリングスリープで噛ませて終了

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関東で働いていましたがスローライフに憧れて 九州で個人事業主をしながらのんびり働いています