初心者~中級者
電気主任技術者として一人前になるために。
自分用にマニュアルとしてまとめます。参考になればご覧ください
電気主任技術者の知識

電気料金の計算方法

今回は電気料金のお勉強

高圧と低圧でいろいろ計算方法が変わる

負荷設備が50kw超えると高圧として受電する必要があるが、50ギリギリだと料金がどちらがお得かという検証も含めます

高圧で契約した場合

高圧での電気料金は原則

  • 基本料金
  • 電力量料金
  • 燃料費調整単価
  • 再エネ賦課金
  • 力率割引

という項目を合計した値で金額が決まる。

基本料金:1年間のデマンドの最大値かける基本料金から算出される。最大値が2月なら翌年3月には更新されるイメージ。

デマンドとは30分間に使用した電力の最大値kw

電力量料金:まさに使用料金のイメージ。契約しているプランにより異なるが夏季7~9月と10~6月で値段が違い。1kwh17.12円など記載してある数値×当月の使用量kwhで算出される

燃料費調整額:お客さまへ届く電機は、多くが電力会社が化石燃料(原油、石炭、天然ガス)を利用して発電したものです。化石燃料は市場の影響を受けやすく。燃料費の高騰で電力会社の経営が厳しくなることもあれば、逆に電力会社が儲かりすぎることもある。電力会社の経営を安定させるために生まれた制度です。

このご時世なので燃料費高騰→お客さまが負担となります。

これに関しては原発を回してる九州は関東のような原発なしの地域に比べると安いのが現状ですが、2022年10月の状態でkwhあたり関東は7.8円、九州は5.74円となり結構高いのがこの半年くらいで圧迫してます

再エネ賦課金:これは説明が長くなるので簡単にすると再生可能エネルギーで発電されたエネルギーを電力会社が一定期間、一定の価格で買い続ける制度

ここでいう再生可能エネルギーとは太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスの5種

再エネ賦課金は、大きく分けて以下の4者で成り立っています。

  • 再エネ発電事業者
  • 電力会社
  • 電気を使用する家庭・工場・会社など
  • 賦課金回収・分配機関

*電力会社の利益となっているわけではないので理解しましょう。

今後も太陽光が増える→毎月の再エネ賦課金が増えていくイメージ。国が主導で進めてるのが太陽光が増えるのは確実→再エネ賦課金の料金も上がるのは確実orz

力率割引:力率85%を超える場合、基本料金が最大で15%(力率100%)の割引となる。高圧進相コンデンサをキュービクルに入れていれば力率はほぼ100%となってます

九州電力HPに電気料金の試算表があり、数値を入力して実行ボタンで簡単に料金が分かるようになってるので便利!

産業用×4つ、業務用×6つあり、簡単な特徴説明

産業用電力A-1…基本料金(固定費)が高い代わりに電力量料金(変動費)が安い。夏季7/1~9/30がその他季より少し単価が高い。電気使用量が少ないところがおすすめ

産業用電力A……基本料金(固定費)が高い代わりに電力量料金(変動費)が安い。年中均一料金夏季7/1~9/30がその他季より少し単価が高い。電気使用量が多い。夜中もずっと冷蔵庫沢山を使用しているなどがおすすめ

季時別A-1………基本料金(固定費)が安い代わりに電力量料金(変動費)が高い。夏季7/1~9/30。夜間(8時~22時以外)の単価が安い日曜日、「国民の祝日に関する法律」に規定する休日、1月2日、1月3日、4月30日、5月1日、5月2日、12月30日、12月31日は終日「夜間時間」扱いとします。→つまりホテルなど繁盛期がかぶる施設はおすすめ

夏季の毎日13時から16時までの時間を時間といい季時別では割高となる。

季時別A…………基本料金(固定費)が高い代わりに電力量料金(変動費)が安い。電気使用料が多いところ

業務用は6パターンあるので詳細は九電HPへ

低圧で契約した場合

低圧で契約するには、契約容量が6kVA以上、50kVA未満と決まっている。

ちなみに、電灯、動力がそれぞれ50kVA未満ならセーフ

  • 基本料金
  • 電力量料金
  • 燃料費調整単価
  • 再エネ賦課金
  • 力率割引

ここまでは同じですが、

基本料金:まずここが大きく違い、1kVA〇〇円×負荷設備の合計kwで計算する。

・動力(エアコン、ポンプ、他)を使用する場合、動力分は低圧電力プランで

負荷1kwあたりの基本料金が1,012円となり基本料金だけでも割高。(電灯の3倍くらい)

その代わりに電力量料金は電灯より単価が安いことが多い

・電灯(照明、コンセント、他)を使用する場合、使用量が毎月550kwhを超えるならスマートビジネスプランが無難

負荷1kwあたりの基本料金が297円となり基本料金は安いが、電力量料金が1kwhあたり23.06円と高くなる

電力量料金:これは高圧と考え方がほぼ同じなので省略

燃料費調整単価:これに上限があり2022年の状況だと上限突破し、電気料金自体がup

再エネ賦課金:上に同じ

力率割引:力率が85%を超えると最大で基本料金が5%割引、逆に下回ると5%割増。ただし高圧設備のようにコンデンサで力率を調整はしないことが多い

設備が古くなると割引は逆に5%割高になるかもしれない点に注意

オマケ

例)月次点検で電灯がR相が20A、T相が20Aくらいとする

電力メータ検診から一か月の使用量が1400kwhなら

このお店の営業時間が一日10時間として、

1,400kwh ÷ 10h ÷ 30日 ≒ 4.6kw/h(1時間当たり電力消費量)

4.6kw÷200v≒23A ← 月次点検の測定結果と近い

例)負荷20kwならブレーカーは100A

20,000w÷200V≒100A

低圧で契約する場合は設備の負荷合計kwで基本料金が決まるので動力の負荷が多い場合は基本料金がかなり高い。壊れている、暫く使う予定がないものは分電盤で離線しておけば負荷としては見なされない。

料金の計算

例)お客様よりテレビを動かした場合の電気料金が知りたいといわれた際の計算方法

テレビのw数が123wだった。
いまが7月(夏季)
高圧の契約

以上より、
123w÷1000×20円=2.4円←これは変動費のみ

①機器のワット数を1000で割りkw単位に変換
②夏季のkwh単価を電力会社のHPより確認
これで1時間あたりの変動費がわかる。液晶テレビは固定費を足しても3~4円ほど

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関東で働いていましたがスローライフに憧れて 九州で個人事業主をしながらのんびり働いています