年次停電点検では毎回行うであろうDGR、GR
今回はDGRということで主な試験手順をおさらい
戸上、エナジー、三菱、日本高圧、大垣など色んなメーカーはありますが基本は同じ
電源ボタンが点灯してることを確認して
単体試験
VaとVcを離線する(ただし、Vaを先に外すようにする) Vcから外すとたまに誤動作!
- VaVc間のトリップコイル抵抗を測定する
テスターで測定するときはいいが、低圧メガーで抵抗測定する場合は間違って
電圧かけないように注意!!
- Va,VcをZ2と絶縁抵抗測定する。500vレンジ
1MΩ以上なら [良] だが基本は100MΩ以上ある
Z2に当てにくいときはP2でも可
測定したら、Vaだけもとに戻す。
海の近くなど塩害がすごいところではPASの劣化も早くなる
ふつうは500や1000mΩ出るのに240mΩくらいの値になった時点でPASの絶縁抵抗能力の低下による劣化を考えPASの取り換えを提案する
- テストボタン
SOとGRをそれぞれテストしターゲット動作確認
ここからがメイン
DGR試験機の全要素コネクタを結線
KtLtで電流を、VとEで電圧をT1T2で警報接点にコモンとその他でB1B3など
警報接点の二次側に線がつながっているときは大体A接点で事務所にある警報装置につながっているので離線しておく。繋げたままだとトリップ線が動作しない。
電源はキュービクルの所内コンセントから延長コードで引っ張るか、敷地内の屋外コンセントを使うように癖付ける。
VT内蔵でPASから電源を取るとPASコイルが焼け多額の損害となるので要注意
- 最小動作電流
電圧を285Vまで上げ、電流を上げていく。タップ値が0.2Aなら±10%で動作れば「良」
- 最小動作電圧
電流を1A流し、電圧を上げていく190V近くで動作
- 位相試験
位相を反転し、電流を1A、電圧を285Vにする
LEAD180°から戻し150°くらいで動作
LAG180°から進めて50°くらいで動作
- 動作時間測定
400%試験(0.1秒~0.2秒で良)
試験機を「設定」にして電流を800mA、電圧を285V、位相を戻す
タイムを測定して2回動作
130%試験(0.1秒~0.3秒で良) *結合試験の場合+50ms
試験機を「設定」にして電流を260mA、電圧を285V、位相は元のまま
タイムを測定し2回動作
結合試験
全要素コネクタのT1T2を外し、Vaを元に戻す。警報接点を離線していた場合はもとに戻す
この時、感電対策で試験機の電源はOFFにしておくこと
設定や電流、電圧は触らない
電源をONにして130%試験。(0.1秒~0.4秒で良)
動作値を記録し、PASのターゲットが「切」になってることを確認したらキュービクルで作業
PASがVT内蔵かをSOGボックスから出てる線で判断する。下のような素直なパターンをまず覚える
こちらがひっかけパターン。以前VTのPASを使用していたときにキュービクルからP1P2に繋がってた線が残ってる。これを確認不足により、P1P2からDGR試験のために電源を取ろうとすると〇〇〇、 終わった!!!
知識不足による大失敗となるので、可能な限り電源は延長コードを伸ばしてでもコンセントからとることがベスト。多少面倒でもリスクを避ける
PAS(VT内蔵)時に連動を取る場合
単体試験までは通常の流れ、自電源は取れないので発電機からGR試験機の電源を取り
トリップ線を外し、Vaを戻して連動試験しただけではタイムが取れない
電源を切った状態で
・トリップ線T1T2をP1P2に繋ぐ
・GR試験機のストップ信号を「接点」→「電圧」に切り替える
これでタイムが取れる