初心者~中級者
電気主任技術者として一人前になるために。
自分用にマニュアルとしてまとめます。参考になればご覧ください
電気主任技術者の知識

地絡継電器(GR)試験

年次停電点検では毎回行うであろうDGR、GR

今回はDGRということで主な試験手順をおさらい

戸上、エナジー、三菱、日本高圧、大垣など色んなメーカーはありますが基本は同じ

電源ボタンが点灯してることを確認して

単体試験

VaとVcを離線する(ただし、Vaを先に外すようにする)  Vcから外すとたまに誤動作!

  • VaVc間のトリップコイル抵抗を測定する

メーカーの管理値は

三菱     32Ω

エナジー   30Ω

戸上    140Ω

大垣     25Ω

日本高圧   15~30Ω

テスターで測定するときはいいが、低圧メガーで抵抗測定する場合は間違って

電圧かけないように注意!!

  • Va,VcをZ2と絶縁抵抗測定する。500vレンジ

1MΩ以上なら [良] だが基本は100MΩ以上ある

もし絶縁が1mΩない場合はPASを切ってはいけない

Z2に当てにくいときはP2でも可

測定したら、Vaだけもとに戻す。

海の近くなど塩害がすごいところではPASの劣化も早くなる

ふつうは500や1000mΩ出るのに240mΩくらいの値になった時点でPASの絶縁抵抗能力の低下による劣化を考えPASの取り換えを提案する

  • テストボタン

SOとGRをそれぞれテストしターゲット動作確認

ここからがメイン

DGR試験機の全要素コネクタを結線

KtLtで電流を、VとEで電圧をT1T2で警報接点にコモンとその他でB1B3など

警報接点の二次側に線がつながっているときは大体A接点で事務所にある警報装置につながっているので離線しておく。繋げたままだとトリップ線が動作しない。

電源はキュービクルの所内コンセントから延長コードで引っ張るか、敷地内の屋外コンセントを使うように癖付ける。

VT内蔵でPASから電源を取るとPASコイルが焼け多額の損害となるので要注意

  • 最小動作電流

電圧を285Vまで上げ、電流を上げていく。タップ値が0.2Aなら±10%で動作れば「良」

  • 最小動作電圧

電流を1A流し、電圧を上げていく190V近くで動作

  • 位相試験

位相を反転し、電流を1A、電圧を285Vにする
LEAD180°から戻し150°くらいで動作
LAG180°から進めて50°くらいで動作

「位相角範囲」

        LEAD   LAG
三菱     120°~150° 30°~30°
エナジー   115°~165° 10°~60°
戸上     105°~135° 45°~75°
大垣     115°~165° 15°~45°
日本高圧   115°~155° 25°~65°

  • 動作時間測定

400%試験(0.1秒~0.2秒で良)  
試験機を「設定」にして電流を800mA、電圧を285V、位相を戻す
タイムを測定して2回動作

130%試験(0.1秒~0.3秒で良)   *結合試験の場合+50ms
試験機を「設定」にして電流を260mA、電圧を285V、位相は元のまま
タイムを測定し2回動作

結合試験

全要素コネクタのT1T2を外し、Vaを元に戻す。警報接点を離線していた場合はもとに戻す

この時、感電対策で試験機の電源はOFFにしておくこと
設定や電流、電圧は触らない

電源をONにして130%試験。(0.1秒~0.4秒で良)

動作値を記録し、PASのターゲットが「切」になってることを確認したらキュービクルで作業

PASがVT内蔵かをSOGボックスから出てる線で判断する。下のような素直なパターンをまず覚える

こちらがひっかけパターン。以前VTのPASを使用していたときにキュービクルからP1P2に繋がってた線が残ってる。これを確認不足により、P1P2からDGR試験のために電源を取ろうとすると〇〇〇、 終わった!!!

知識不足による大失敗となるので、可能な限り電源は延長コードを伸ばしてでもコンセントからとることがベスト。多少面倒でもリスクを避ける

PAS(VT内蔵)時に連動を取る場合

単体試験までは通常の流れ、自電源は取れないので発電機からGR試験機の電源を取り
トリップ線を外し、Vaを戻して連動試験しただけではタイムが取れない

電源を切った状態で
・トリップ線T1T2をP1P2に繋ぐ
・GR試験機のストップ信号を「接点」→「電圧」に切り替える

これでタイムが取れる

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関東で働いていましたがスローライフに憧れて 九州で個人事業主をしながらのんびり働いています